法律 50音 年別(平成21年)

〇環境省令第十号
 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)第二十二条第二項、第三項第一号及び第六項並びに第二十八条の規定に基づき、並びに第二十二条第一項の規定を実施するため、汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令を次のように定める。
平成二十一年十月二十二日
環境大臣 小沢 鋭仁
   汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令
  (汚染土壌処理施設の種類)
第一条 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号。以下「法」という。)第二十二条第二項第三号に規定する汚染土壌処理施設(法第二十二条第一項に規定する汚染土壌処理施設をいう。以下同じ。)の種類は、次の各号に掲げるとおりとし、その定義はそれぞれ当該各号に定めるとおりとする。
 一 浄化等処理施設 汚染土壌(法第十六条第一項に規定する汚染土壌をいう。以下同じ。)について浄化(汚染土壌に含まれる特定有害物質(法第二条第一項に規定する特定有害物質をいう。以下同じ。)を抽出し、又は分解する方法により除去し、除去した後の土壌の当該特定有害物質による汚染状態を土壌汚染対策法施行規則(平成十四年環境省令第二十九号。以下「規則」という。)第十八条第一項及び第二項の基準に適合させることをいう。第五条第十七号イにおいて同じ。)、溶融(汚染土壌を加熱することにより当該汚染土壌が変化して生成した物質に当該特定有害物質を封じ込め、規則第十八条第一項及び第二項の基準に適合させることをいう。第五条第十七号イにおいて同じ。)又は不溶化(薬剤の注入その他の方法により当該特定有害物質が溶出しないように当該汚染土壌の性状を変更させることをいう。同条第四号ロにおいて同じ。)を行うための施設(次号に掲げる施設を除く。)
 二 セメント製造施設 汚染土壌を原材料として利用し、セメントを製造するための施設
 三 埋立処理施設 汚染土壌の埋立てを行うための施設
 四 分別等処理施設 汚染土壌から岩石、コンクリートくずその他の物を分別し、又は汚染土壌の含水率を調整するための施設

  (汚染土壌処理業の許可の申請)
第二条 法第二十二条第二項の申請書(以下「申請書」という。)の様式は、別記様式のとおりとする。
2 申請書には、次に掲げる書類及び図面を添付しなければならない。
 一 汚染土壌の処理に係る事業経営計画の概要を記載した書類
 二 汚染土壌処理施設に係る事業場の周囲の状況及び敷地境界線並びに当該汚染土壌処理施設の配置を示す図面
 三 汚染土壌処理施設の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに埋立処理施設にあっては、周囲の地形、地質及び地下水の状況を明らかにする書類及び図面
 四 汚染土壌の処理工程図
 五 申請者が汚染土壌処理施設の所有権を有すること(所有権を有しない場合には、当該施設を使用する権原を有すること)を証する書類
 六 埋立処理施設にあっては、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第一項の免許又は同法第四十二条第一項の承認を受けて汚染土壌の埋立てを行う場合における当該免許又は承認を受けたことを証する書類の写し
 七 汚染土壌の処理の事業を行うに足りる技術的能力を説明する書類
 八 汚染土壌の処理の事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
 九 申請者が法人である場合には、直前三年の各事業年度における貸借対照表、損益計算書並びに法人税の納付すべき額及び納付済額を証する書類
 十 申請者が個人である場合には、資産に関する調書並びに直前三年の所得税の納付すべき額及び納付済額を証する書類
 十一 申請者が法人である場合には、定款又は寄附行為及び登記事項証明書
 十二 申請者が個人である場合には、住民票の写し
 十三 申請者が法第二十二条第三項第二号イからハまでに該当しない者であることを誓約する書面
 十四 申請者が法人である場合には、法第二十二条第三項第二号ハに規定するその事業を行う役員の住民票の写し
 十五 汚染土壌の処理に伴って生じた汚水(以下「汚水」という。)の処理の方法並びに汚染土壌処理施設に係る事業場から排出される水(以下「排出水」という。)及び排出水に係る用水の系統を説明する書類
 十六 排水口(汚染土壌処理施設に係る事業場から公共用水域(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する公共用水域をいう。第四条第一号ト、第五条第十三号において同じ。)に排出水を排出し、又は下水道(下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道及び同条第四号に規定する流域下水道であって、同条第六号に規定する終末処理場を設置しているもの(その流域下水道に接続する公共下水道を含む。)をいう。第四条第一号チ及び第五条第十四号において同じ。)に排除される水を排出する場所をいう。以下同じ。)における排出水の水質の測定方法を記載した書類
 十七 汚染土壌処理施設の周縁の地下水の水質の測定方法を記載した書類
 十八 特定有害物質又は特定有害物質を含む固体若しくは液体の汚染土壌処理施設に係る事業場からの飛散、揮散及び流出(以下「飛散等」という。)並びに地下への浸透を防止する方法を記載した書類
 十九 浄化等処理施設又はセメント製造施設にあっては、汚染土壌の処理に伴って生じ、排出口(これらの施設において生ずる第四条第一号ヌ?から?までに掲げる物質、土壌汚染対策法施行令(平成十四年政令第三百三十六号。次条第二号において「令」という。)第一条第七号、第十一号、第十二号、第十四号、第十八号、第二十二号及び第二十四号に掲げる物質並びにダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)第二条第一項に規定するダイオキシン類をいう。第四条第二号ロ??において同じ。)(以下「大気有害物質」という。)を大気中に排出するために設けられた煙突その他の施設の開口部をいう。以下同じ。)から大気中に排出される大気有害物質の排出方法及び処理方法並びに大気有害物質の量の測定方法を記載した書類
 二十 法第二十七条第一項に規定する措置(次号及び第四条第二号ニにおいて「廃止措置」という。)に要する費用の見積額を記載した書面及び当該見積額の支払が可能であることを説明する書面
 二十一 汚染土壌処理施設に係る事業場の敷地に申請者以外の所有者、管理者又は占有者がいる場合にあっては、廃止措置として行う土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査の結果、当該敷地の土壌の特定有害物質による汚染状態が規則第十八条第一項又は第二項の基準に適合しないときの法第十四条第一項の申請を行うことについての当該所有者、管理者又は占有者全員の合意を得られることの見通しを記載した書類
 二十二 汚染土壌処理施設において処理した汚染土壌であって規則第十八条第一項又は第二項の基準に適合しない汚染状態にあるものを当該汚染土壌処理施設以外の汚染土壌処理施設において処理する場合における当該処理を行う汚染土壌処理施設(以下「再処理汚染土壌処理施設」という。)について法第二十二条第一項の許可を受けた者の当該処理を受託することについての同意書及び当該者が当該許可を受けていることを証する書類
3 法第二十二条第四項の許可の更新を申請する者は、前項の規定にかかわらず、その内容に変更がないときは、同項第一号から第七号まで及び第十五号から第十九号までに掲げる書類又は図面の添付を省略することができる。
第三条 法第二十二条第二項第五号の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 汚染土壌処理施設に係る事業場の名称及び申請者の事務所の所在地
 二 他に法第二十二条第一項の許可を受けている場合にあっては、当該許可をした都道府県知事(令第八条に規定する市にあっては、市長。以下同じ。)及び当該許可に係る許可番号(同項の許可を申請している場合にあっては、申請先の都道府県知事及び申請年月日)
 三 汚染土壌の処理の方法
 四 セメント製造施設にあっては、製造されるセメントの品質管理の方法
 五 汚染土壌の保管設備を設ける場合には、当該保管設備の場所及び容量
 六 申請者が法人である場合には、法第二十二条第三項第二号ハに規定するその事業を行う役員の氏名及び住所
 七 再処理汚染土壌処理施設に係る次に掲げる事項
  イ 再処理汚染土壌処理施設に係る事業場の名称及び所在地
  ロ 再処理汚染土壌処理施設についての法第二十二条第一項の許可をした都道府県知事及び当該許可に係る許可番号
  ハ 再処理汚染土壌処理施設の種類及び処理能力

  (汚染土壌処理業の許可の基準)
第四条 法第二十二条第三項第一号の環境省令で定める基準は、次のとおりとする。
 一 汚染土壌処理施設に関する基準
  イ 汚染土壌処理施設が第一条各号に掲げる施設のいずれかに該当すること。
  ロ 申請書に記載した汚染土壌の処理の方法に応じた汚染土壌処理施設であること。
  ハ 自重、積載荷重その他の荷重、地震及び温度変化に対して構造耐力上安全であること。
  ニ 汚水、汚染土壌の処理に伴って生じた気体、汚染土壌処理施設において使用する薬剤等による腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。
  ホ 汚染土壌処理施設に係る事業場からの特定有害物質又は特定有害物質を含む固体若しくは液体の飛散等及び地下への浸透並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造のものであり、又は必要な設備が設けられていること。
  ヘ 著しい騒音及び振動を発生し、周囲の生活環境を損なわないものであること。
  ト 排出水を公共用水域に排出する場合には、次に掲げる設備が設けられていること。
   ? 排水口における排出水の水質を次に掲げる基準(次条第十三号イにおいて「排出水基準」という。)に適合させるために必要な処理設備
    ? 排水基準を定める省令(昭和四十六年総理府令第三十五号)第二条の環境大臣が定める方法により測定した場合における測定値が同令別表第一の上欄に掲げる有害物質の種類及び別表第二の上欄に掲げる項目ごとにそれぞれの表の下欄に掲げる許容限度(水質汚濁防止法第三条第三項の規定により排水基準が定められた場合においては、当該排水基準で定める許容限度を含む。)を超えないこと。
    ? ダイオキシン類対策特別措置法施行規則(平成十一年総理府令第六十七号)第二条第一項第二号に規定する方法により測定した場合における測定値が同令別表第二の下欄に掲げる許容限度(ダイオキシン類対策特別措置法第八条第三項の規定により排出基準が定められた場合においては、当該排水基準で定める許容限度を含む。)を超えないこと。
   ? ト??及び?に掲げる方法により排出水の水質を測定するための設備
  チ 排出水を排除して下水道を使用する場合には、次に掲げる設備が設けられていること。
   ? 排水口における排出水の水質を下水道法施行令(昭和三十四年政令第百四十七号)第九条の四第一項各号に掲げる物質についてそれぞれ当該各号に定める基準(下水道法第十二条の二第三項の規定により同令第九条の五第一項各号に掲げる項目に関して水質の基準が定められた場合においては、当該水質の基準を含む。次条第十四号イにおいて「排除基準」という。)に適合させるために必要な処理設備
   ? 下水道法施行令第九条の四第二項の国土交通省令・環境省令で定める方法(次条第十四号ロにおいて「下水道測定方法」という。)により排出水の水質を測定するための設備
  リ 汚染土壌処理施設の周縁の地下水の汚染状態を測定するための設備が設けられていること。ただし、汚水が地下に浸透することを防止するための措置として環境大臣が定めるもの(次条第十五号において「地下浸透防止措置」という。)が講じられているときは、この限りでない。
  ヌ 浄化等処理施設又はセメント製造施設にあっては、排出口における次の?から?までに掲げる大気有害物質の量が当該?から?までに掲げる許容限度を超えないようにするために必要な処理設備及び環境大臣が定める方法により大気有害物質の量を測定するための設備が設けられていること。この場合において、?、?、?及び?に掲げる許容限度は大気汚染防止法施行規則(昭和四十六年厚生省・通商産業省令第一号)別表第三の備考1に掲げる方法(当該許容限度に係る大気有害物質に係るものに限る。)により測定される量として表示されたものとし、?に掲げる許容限度は同表の備考2に掲げる式により算出された量とし、?に掲げる許容限度は同令別表第三の二の備考に掲げる式により算出された量とする。
   ? カドミウム及びその化合物 一・〇ミリグラム
   ? 塩素 三十ミリグラム
   ? 塩化水素 七百ミリグラム
   ? ふっ素、ふっ化水素及びふっ化けい素 十ミリグラム
   ? 鉛及びその化合物 二十ミリグラム
   ? 窒素酸化物 二百五十立方センチメートル(排出ガス量が一日当たり十万立方メートル未満の浄化等処理施設又はセメント製造施設にあっては、三百五十立方センチメートル)
 二 申請者の能力に関する基準
  イ 汚染土壌の処理に関する業務を統括管理し、当該業務について一切の責任を有する者がいること。
  ロ 汚染土壌処理施設の維持管理及び汚染土壌の処理を的確に行うに足りる知識及び技能を有する者として次に掲げる者を当該汚染土壌処理施設に配置していること。
   ? 汚染土壌処理施設の運転、維持及び管理について三年以上の実務経験を有する者
   ? 汚染土壌処理施設から生ずる公害を防止するための知識を有する者として次に掲げる者
    ? 大気の汚染に関して必要な知識を有する者として次のいずれかに該当する者
     ? 技術士法(昭和五十八年法律第二十五号)による第二次試験のうち衛生工学部門に合格した者(選択科目として大気管理を選択した者に限る。)
     ? 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(昭和四十六年法律第百七号)第七条第一項第一号に規定する公害防止管理者の資格を有する者(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令(昭和四十六年政令第二百六十四号)別表第二の一の項の下欄に規定する大気関係第一種有資格者又は同表の二の項の下欄に規定する大気関係第二種有資格者に限る。)
     ? 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則(昭和四十六年大蔵省・厚生省・農林省・通商産業省・運輸省令第三号)別表第三に規定する大気概論、ばいじん・粉じん特論及び大気有害物質特論の科目に合格した者
     ? ?から?までに掲げる者と同等以上の知識を有すると認められる者
    ? 水質の汚濁に関して必要な知識を有する者として次のいずれかに該当する者
     ? 技術士法による第二次試験のうち衛生工学部門に合格した者(選択科目として水質管理を選択した者に限る。)
     ? 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律第七条第一項第一号に規定する公害防止管理者の資格を有する者(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令別表第二の五の項の下欄に規定する水質関係第一種有資格者又は同表の六の項の下欄に規定する水質関係第二種有資格者に限る。)
     ? 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則別表第三に規定する水質概論及び水質有害物質特論の科目に合格した者
     ? ?から?までに掲げる者と同等以上の知識を有すると認められる者
    ? 汚染土壌の処理に伴ってダイオキシン類を生ずる可能性のある施設にあっては、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律第七条第一項第一号に規定する公害防止管理者の資格を有する者(特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令別表第二の十二の項の下欄に規定する者に限る。)又は特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則別表第三に規定するダイオキシン類概論及びダイオキシン類特論の科目に合格した者
  ハ 汚染土壌処理施設の維持管理及び汚染土壌の処理の事業を的確に、かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。
  ニ 廃止措置を講ずるに足りる経理的基礎を有すること。

  (汚染土壌の処理に関する基準)
第五条 法第二十二条第六項の環境省令で定める基準は、次のとおりとする。
 一 特定有害物質又は特定有害物質を含む固体若しくは液体の飛散等及び地下への浸透並びに悪臭の発散を防止するために必要な措置を講ずること。
 二 著しい騒音及び振動の発生により周囲の生活環境を損なわないように必要な措置を講ずること。
 三 特定有害物質又は特定有害物質を含む固体若しくは液体が飛散等をし、若しくは地下へ浸透し、又は悪臭が発散した場合には、直ちに汚染土壌処理施設の運転を停止し、当該汚染土壌の回収その他の環境の保全に必要な措置を講ずること。
 四 汚染土壌処理施設への汚染土壌の受入れは、次によること。
  イ 当該汚染土壌処理施設の処理能力を超える汚染土壌を受け入れてはならないこと。
  ロ 浄化等処理施設のうち不溶化を行うためのものにあっては、第二種特定有害物質(規則第五条第一項第二号に規定する第二種特定有害物質をいう。)以外の規則第十八条第一項の基準に適合しない特定有害物質を含む汚染土壌を受け入れてはならないこと。
  ハ 埋立処理施設にあっては、第二溶出量基準(規則第二十四条第一項第一号に規定する第二溶出量基準をいう。第八号において同じ。)に適合しない汚染土壌(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)第十条第二項第四号に規定する場所で汚染土壌の埋立てを行うための埋立処理施設にあっては、汚染土壌を水底土砂とみなして海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋立場所等に排出しようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令(昭和四十八年総理府令第六号)第四条の環境大臣が定める方法により測定した結果、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和四十六年政令第二百一号)第五条第二項第四号及び第五号の環境省令で定める基準(特定有害物質に係るものに限る。)に適合しない場合における当該汚染土壌)を受け入れてはならないこと。
 五 汚染土壌の処理に関し、下水道法、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)、騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)、水質汚濁防止法、悪臭防止法(昭和四十六年法律第九十一号)、振動規制法(昭和五十一年法律第六十四号)、ダイオキシン類対策特別措置法その他の国民の健康の保護又は生活環境の保全を目的とする法令及び条例を遵守すること。
 六 浄化等処理施設にあっては、申請書に記載した汚染土壌の処理の方法に従って処理を行うこと。
 七 セメント製造施設にあっては、申請書に記載したセメントの品質管理の方法に従ってセメントを製造し、かつ当該セメントは通常の使用に伴い特定有害物質による人の健康に係る被害が生ずるおそれがないものとすること。
 八 分別等処理施設にあっては、第二溶出量基準に適合しない汚染土壌と当該汚染土壌以外の土壌とを混合してはならないこと。
 九 汚染土壌の処理は、当該汚染土壌が汚染土壌処理施設に搬入された日から六十日以内に終了すること。
 十 汚染土壌の保管は、申請書に記載した保管設備において行うこと。
 十一 汚染土壌処理施設内において汚染土壌の移動を行う場合には、当該汚染土壌の飛散を防止するため、次のいずれかによること。
  イ 粉じんが飛散しにくい構造の設備内において当該移動を行うこと。
  ロ 当該移動を行う場所において、散水装置による散水を行うこと。
  ハ 当該移動させる汚染土壌を防じんカバーで覆うこと。
  ニ 当該移動させる汚染土壌に薬液を散布し、又は締固めを行うことによってその表層を固化すること。
  ホ イからニまでの措置と同等以上の効果を有する措置を講ずること。
 十二 汚水を地下に浸透させてはならないこと。
 十三 排出水を公共用水域に排出する場合には、次によること。
  イ その水質が排水口において排出水基準に適合しない排出水を排出してはならないこと。
  ロ 前条第一号ト??及び?に掲げる方法により排出水の水質を測定すること。
 十四 排出水を排除して下水道を使用する場合には、次によること。
  イ その水質が排水口において排除基準に適合しない排出水を排除してはならないこと。
  ロ 下水道測定方法により排出水の水質を測定すること。
 十五 汚染土壌処理施設が設置されている場所にある地下水の下流側の当該汚染土壌処理施設の周縁において、三月に一回以上地下水を採取し、当該地下水の水質を規則第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定すること。ただし、測定した地下水の水質が地下水基準(規則第六条第一項に規定する地下水基準をいう。)に一年間継続して適合している旨の都道府県知事の確認を受けたときは一年に一回以上測定すれば足り、埋立処理施設以外の汚染土壌処理施設であって地下浸透防止措置が講じられているものにあっては測定することを要しないこと。
 十六 浄化等処理施設又はセメント製造施設からの大気中への大気有害物質の排出については、次によること。
  イ 前条第一号ヌ?から?までに掲げる大気有害物質の量が、排出口において、温度が零度であって、圧力が一気圧の状態に換算した排出ガス一立方メートルにつき、当該?から?までに掲げる許容限度を超える大気有害物質を排出してはならないこと。
  ロ 排出口における前条第一号ヌ?から?までに掲げる大気有害物質の量を三月に一回以上(一年間継続してイの規定に従って大気有害物質を排出している旨の都道府県知事の確認を受けたときは、一年に一回以上)、大気有害物質(前条第一号ヌ?から?までに掲げる大気有害物質を除く。)の量を一年に一回以上、同号ヌの環境大臣が定める方法によりそれぞれ測定すること。
 十七 汚染土壌処理施設に搬入された汚染土壌を当該汚染土壌処理施設外へ搬出しないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
  イ 浄化等処理施設において浄化又は溶融が行われた汚染土壌であって、法第十六条第一項の環境省令で定める方法による調査の結果、特定有害物質による汚染状態が規則第十八条第一項及び第二項の基準に適合しているものを搬出する場合
  ロ 当該汚染土壌を申請書に記載した再処理汚染土壌処理施設に搬入するために搬出する場合
 十八 前号ロの場合において、当該汚染土壌の運搬を他人に委託するときには、法第二十条第一項の規定の例により、当該委託に係る汚染土壌の引渡しと同時に当該汚染土壌の運搬を受託した者に対し、管理票を交付しなければならないこと。
 十九 再処理汚染土壌処理施設において処理を行う汚染土壌処理業者にあっては、当該処理に係る汚染土壌の引渡しを受けたときは、前号の運搬を受託した者から同号の規定により交付された管理票を受領し、当該管理票に記載されている事項に誤りがないことを確認するとともに、当該処理を終了したときは、法第二十条第四項の規定の例により、当該処理を委託した汚染土壌処理業者に当該管理票の写しを送付しなければならないこと。
 二十 前号の処理を委託した汚染土壌処理業者にあっては、同号の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該汚染土壌を当該要措置区域等外へ搬出した者にその写しを送付しなければならないこと。
 二十一 汚染土壌処理施設の見やすい場所に、次に掲げる事項を表示しなければならないこと。
  イ 汚染土壌処理施設についての法第二十二条第一項の許可に係る許可番号
  ロ 汚染土壌処理施設について法第二十二条第一項の許可を受けた者の氏名又は名称及び法人にあってはその代表者の氏名
  ハ 汚染土壌処理施設の所在地
  ニ 汚染土壌処理施設の種類及び処理能力
  ホ 汚染土壌処理施設において処理する汚染土壌の特定有害物質による汚染状態
 二十二 汚染土壌処理施設の正常な機能を維持するため、一年に一回以上当該汚染土壌処理施設の点検及び機能検査を行うこと。
 二十三 前号の点検及び機能検査の記録を作成し、三年間保存すること。

  附 則

  (施行期日)
第一条 この省令は、土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成二十一年法律第二十三号)の施行の日(平成二十二年四月一日)から施行する。

  (経過措置)
第二条 第四条第二号ロの規定は、この省令の施行の際現に規則第十八条第一項又は第二項の基準に適合しない汚染状態にある土壌の処理を業として行っている者については、この省令の施行後三年間は適用しない。
第三条 大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和五十四年総理府令第三十七号。次項において「改正府令」という。)附則第三項の経過措置の適用を受けるセメント製造施設にあっては、当分の間、第二条第二項第十九号の規定(窒素酸化物の処理方法に係るものに限る。)、第四条第一号ヌの規定(窒素酸化物に係る処理設備に係るものに限る。)及び第五条第十六号イの規定(窒素酸化物に係るものに限る。)は適用しない。
2 改正府令附則第六項の経過措置の適用を受けるセメント製造施設に係る第五条第十六号イに定める窒素酸化物の大気中への排出の許容限度は、同号イの規定にかかわらず、当分の間、温度が零度であって、圧力が一気圧の状態に換算した排出ガス一立方メートルにつき、四百八十立方センチメートルとする。