〇年金生活者支援給付金の支給に関する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令(平成二十一年政令第二百十一号)
公布・施行:平成二十八年五月二日 政令第二百十一号
内閣は、年金生活者支援給付金の支給に関する法律(平成二十四年法律第百二号)附則第二十三条の規定に基づき、この政令を制定する。
(厚生労働大臣の市町村に対する資料の提供の求め)
第一条 厚生労働大臣は、年金生活者支援給付金の支給に関する法律(以下「法」という。)第二十五条第一項に規定する年金生活者支援給付金(次条第一項及び第四条において「年金生活者支援給付金」という。)の速やかな支給のため必要があると認めるときは、支給要件調査対象者又は支給要件調査対象者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の収入の状況につき、市町村(特別区を含む。次条第一項及び第三条第一項において同じ。)に対し資料の提供を求めることができる。
2 前項の支給要件調査対象者は、平成二十八年四月一日において次の各号のいずれかに該当する者とする。
一 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)による老齢基礎年金(次に掲げる年金たる給付を含む。以下この号において同じ。)の受給権者(六十五歳に達している者に限り、厚生労働省令で定める日までに当該老齢基礎年金の受給権者となると見込まれる者を含む。)
イ 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。ロ及びハにおいて「昭和六十年国民年金等改正法」という。)第一条の規定による改正前の国民年金法(以下この項において「旧国民年金法」という。)による老齢年金(旧国民年金法附則第九条の三第一項の規定に該当することにより支給される老齢年金及び老齢福祉年金を除く。)及び通算老齢年金
ロ 昭和六十年国民年金等改正法第三条の規定による改正前の厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号。次号において「旧厚生年金保険法」という。)による老齢年金及び通算老齢年金
ハ 昭和六十年国民年金等改正法第五条の規定による改正前の船員保険法(昭和十四年法律第七十三号。次号において「旧船員保険法」という。)による老齢年金及び通算老齢年金
ニ 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百五号。以下この号において「昭和六十年国共済改正法」という。)第一条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。次号において「旧国共済法」という。)及び昭和六十年国共済改正法第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号)による退職年金、減額退職年金及び通算退職年金
ホ 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百八号。以下この号において「昭和六十年地共済改正法」という。)第一条の規定による改正前の地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号。次号において「旧地共済法」という。)及び昭和六十年地共済改正法第二条の規定による改正前の地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法(昭和三十七年法律第百五十三号)による退職年金、減額退職年金及び通算退職年金
ヘ 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百六号)第一条の規定による改正前の私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号。次号において「旧私学共済法」という。)による退職年金、減額退職年金及び通算退職年金
ト 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律(平成十三年法律第百一号)附則第十六条第六項に規定する移行農林年金(次号において「移行農林年金」という。)のうち退職年金、減額退職年金及び通算退職年金
二 国民年金法による障害基礎年金(次に掲げる年金たる給付を含む。)の受給権者
イ 旧国民年金法による障害年金
ロ 旧厚生年金保険法による障害年金(障害の程度が旧厚生年金保険法別表第一に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
ハ 旧船員保険法による障害年金(職務上の事由によるものについては障害の程度が旧船員保険法別表第四の上欄に定める一級から五級までのいずれかに該当する者に支給されるものに限り、職務外の事由によるものについては障害の程度が同表の下欄に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
ニ 旧国共済法による障害年金(障害の程度が旧国共済法別表第三に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
ホ 旧地共済法による障害年金(障害の程度が旧地共済法別表第三に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
ヘ 旧私学共済法による障害年金(障害の程度が旧私学共済法第二十五条第一項において準用する旧国共済法別表第三に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
ト 移行農林年金のうち障害年金(障害の程度が農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百七号)による改正前の農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)別表第二に定める一級又は二級に該当する者に支給されるものに限る。)
三 国民年金法による遺族基礎年金の受給権者
(厚生労働大臣の市町村に対する通知)
第二条 厚生労働大臣は、前条第一項の規定による求めを行うときは、平成二十八年五月三十一日までに支給要件調査対象者(同条第二項に規定する支給要件調査対象者をいう。以下この項及び次条第一項において同じ。)が同年四月一日において住所を有する市町村に対し、当該支給要件調査対象者の氏名及び住所、支給要件に係る調査の対象となる年金生活者支援給付金の種類その他厚生労働省令で定める事項を通知してするものとする。
2 前項の場合においては、厚生労働大臣は、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第六項に規定する厚生労働大臣が指定する法人(以下この項及び次条第七項において「指定法人」という。
) 及び同法第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(次条第七項において「連合会」という。)の順に経由して行われるよう指定法人に伝達することにより、これらを経由して当該通知を行うものとする。
(市町村の厚生労働大臣に対する情報の提供)
第三条 市町村は、前条第一項の規定による通知を受けたときは、厚生労働大臣に対し、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事項について情報の提供を行うものとする。
一 老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の支給に関し求めがあったとき 次に掲げる事項
イ 支給要件調査対象者(第一条第二項第一号に該当する者に限る。ロにおいて同じ。)の平成二十七年中の法第二条第一項に規定する公的年金等の収入金額と同年の所得との合計額
ロ 支給要件調査対象者及び平成二十八年四月一日において支給要件調査対象者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者に係る平成二十八年度分の地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
第五条第二項第一号に掲げる市町村民税 (特別区が同法第一条第二項の規定によって課する同号に掲げる税を含む。次項及び第三項において同じ。)が課されていない者であるか否かの別
二 障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金の支給に関し求めがあったとき 次に掲げる事項
イ 支給要件調査対象者(第一条第二項第二号又は第三号に該当する者に限る。ロにおいて同じ。)の平成二十七年の所得の額
ロ 支給要件調査対象者の扶養親族等(法第十五条第一項に規定する扶養親族等をいう。以下この項において同じ。)の有無及び数(当該扶養親族等が所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する老人控除対象配偶者、老人扶養親族、特定扶養親族又は控除対象扶養親族(十九歳未満の者に限る。)であるときは、それぞれそれらの者の数)
2 前項第一号イに規定する所得は、市町村民税についての地方税法その他の市町村民税に関する法令の規定による非課税所得以外の所得とする。
3 第一項第一号イに規定する所得の額は、平成二十八年度分の市町村民税に係る地方税法第二百九十二条第一項第十三号に規定する合計所得金額から所得税法第三十五条第三項に規定する公的年金等に係る同条第一項に規定する雑所得の額を控除した額とする。
4 第一項第二号イに規定する所得は、地方税法第四条第二項第一号に掲げる道府県民税(都が同法第一条第二項の規定によって課する同号に掲げる税を含む。以下第六項までにおいて同じ。)についての同法その他の道府県民税に関する法令の規定による非課税所得以外の所得とする。
5 第一項第二号イに規定する所得の額は、平成二十八年度分の道府県民税に係る地方税法第三十二条第一項に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額、同法附則第三十三条の三第一項に規定する土地等に係る事業所得等の金額、同法附則第三十四条第一項に規定する長期譲渡所得の金額、同法附則第三十五条第一項に規定する短期譲渡所得の金額、同法附則第三十五条の四第一項に規定する先物取引に係る雑所得等の金額、租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第三条の二の二第四項に規定する条約適用利子等の額並びに同条第六項に規定する条約適用配当等の額の合計額とする。
6 次の各号に該当する者については、当該各号に掲げる額を前項の規定によって計算した額からそ れぞれ控除するものとする。
一 平成二十八年度分の道府県民税につき、地方税法第三十四条第一項第一号から第四号まで又は第十号の二に規定する控除を受けた者については、当該雑損控除額、医療費控除額、社会保険料控除額、小規模企業共済等掛金控除額又は配偶者特別控除額に相当する額
二 平成二十八年度分の道府県民税につき、地方税法第三十四条第一項第六号に規定する控除を受けた者については当該控除の対象となった障害者(国民年金法第三十条の四の規定による障害基礎年金(当該障害基礎年金の全額につき支給を停止されているものを除く。)の受給権者を除く。)一人につき二十七万円(当該障害者が同号に規定する特別障害者である場合には、四十万円)、同項第八号に規定する控除を受けた者については当該控除を受けた者につき二十七万円(当該控除を受けた者が地方税法第三十四条第三項に規定する寡婦である場合には、三十五万円)
、地方税法第三十四条第一項第九号に規定する控除を受けた者については当該控除を受けた者につき二十七万円
三 平成二十八年度分の道府県民税につき、地方税法附則第六条第一項に規定する免除を受けた者については、当該免除に係る所得の額
7 前条第一項の通知を受けた場合における第一項の規定による情報の提供は、連合会及び指定法人の順に経由して行われるよう連合会に伝達することにより、これらを経由して、厚生労働省令で定める期日までに行うものとする。
(認定の請求に関する情報の提供)
第四条 厚生労働大臣は、法の施行の日までに、年金生活者支援給付金の速やかな支給のため、前条第一項の規定による情報により年金生活者支援給付金の支給要件に該当する蓋然性が高いと認められる者に対し、法第五条第一項、第十二条第一項、第十七条第一項又は第二十二条第一項の規定による認定の請求に関する情報を通知するものとする。
(機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任)
第五条 次に掲げる厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構(次項及び次条において 「機構」という。)に行わせるものとする。
一 第一条第一項の規定による求め
二 第三条第一項の規定による情報の受領
三 前条の規定による通知
四 前三号に掲げるもののほか、この政令の実施に関し厚生労働省令で定める権限
2 国民年金法第百九条の四第三項、第四項、第六項及び第七項の規定は、機構による前項各号に掲げる権限に係る事務の実施について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同条の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第三項 | 前項の規定による求めがあつた場合において必要があると認めるとき、又は機構 | 機構 |
第一項各号 | 年金生活者支援給付金の支給に関する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令(平成二十八年政令第二百十一号。以下この条において「経過措置政令」という。)第五条第一項各号 | |
若しくは | 又は | |
第四項 | により第一項各号 | により経過措置政令第五条第一項各号 |
行つている第一項各号 | 行つている同条第一項各号 | |
するとき(次項に規定する場合を除く。) | するとき | |
第六項 | により第一項各号 | により経過措置政令第五条第一項各号 |
行つている第一項各号 | 行つている同条第一項各号 | |
第七項 | 前各項 | 経過措置政令第五条第一項並びに第三項、第四項及び前項 |
第一項各号 | 同条第一項各号 |
(機構への事務の委託)
第六条 厚生労働大臣は、機構に、次に掲げる事務を行わせるものとする。
一 第二条第一項の規定による通知に係る事務(当該通知を除く。 )
二 前号に掲げるもののほか、この政令の実施に関し厚生労働省令で定める事務
2 国民年金法第百九条の十第二項及び第三項の規定は、前項の規定による機構への事務の委託について準用する。この場合において、同条第二項中「前項各号」とあるのは「年金生活者支援給付金の支給に関する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令(平成二十八年政令第二百十一号。次項において「経過措置政令」という。
) 第六条第一項各号」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「経過措置政令第六条第一項各号及び前項」と、 「第一項各号」とあるのは「同条第一項各号」と読み替えるものとする。
(厚生労働省令への委任)
第七条 この政令で定めるもののほか、この政令の実施のため必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。
附 則
この政令は、公布の日から施行する。