法律 50音 年別(平成23年)

〇東日本大震災復興特別区域法 (平成二十三年法律第百二十二号)

平成二十三年十二月十四日 法律第百二十二号

東日本大震災復興特別区域法をここに公布する。

    目 次

  第一章 総則(第一条・第二条)
  第二章 復興特別区域基本方針(第三条)
  第三章 復興推進計画に係る特別の措置
   第一節 復興推進計画の認定等(第四条―第十三条)
   第二節 認定復興推進計画に基づく事業に対する特別の措置
    第一款 規制の特例措置(第十四条―第三十六条)
    第二款 課税の特例(第三十七条―第四十二条)
    第三款 地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置(第四十三条)
    第四款 復興特区支援利子補給金の支給(第四十四条)
    第五款 財産の処分の制限に係る承認の手続の特例(第四十五条)
  第四章 復興整備計画等に係る特別の措置
   第一節  復興整備計画の作成等(第四十六条―第五十六条)
   第二節 復興一体事業(第五十七条―第六十三条)
   第三節 復興整備計画の実施に係る特別の措置(第六十四条―第七十六条)
  第五章 復興交付金事業計画に係る特別の措置
   第一節 復興交付金事業計画の作成等(第七十七条)
   第二節 復興交付金(第七十八条―第八十四条)
  第六章 雑則(第八十五条―第九十条)
  第七章 罰則(第九十一条―第九十三条)
  附則

    第一章  総 則

  (目的)
第一条 この法律は、東日本大震災からの復興が、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の連携協力が確保され、かつ、被災地域の住民の意向が尊重され、地域における創意工夫を生かして行われるべきものであることに鑑み、東日本大震災復興基本法(平成二十三年法律第七十六号)第十条の規定の趣旨にのっとり、復興特別区域基本方針、復興推進計画の認定及び特別の措置、復興整備計画の実施に係る特別の措置、復興交付金事業計画に係る復興交付金の交付等について定めることにより、東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図り、もって同法第二条の基本理念に則した東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生に資することを目的とする。

  (定義)
第二条 この法律において「東日本大震災」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。
  この法律において「復興特別区域」とは、第四条第一項に規定する復興推進計画(次項において単に「復興推進計画」という。)の区域、第四十六条第一項に規定する復興整備計画の区域及び第七十七条第一項に規定する復興交付金事業計画の区域をいう。
  この法律において「復興推進事業」とは、次に掲げる事業をいう。
   別表に掲げる事業で、第三章第二節第一款の規定による規制の特例措置の適用を受けるもの
   次に掲げる事業であって個人事業者又は法人により行われるもの
    産業集積の形成及び活性化を図ることを通じて東日本大震災により多数の被災者が離職を余儀なくされ、又は生産活動の基盤に著しい被害を受けた地域における雇用機会の確保に寄与する事業(ロに掲げるものを除く。)
    イに規定する地域において建築物の建築及び賃貸をする事業であって産業集積の形成及び活性化に寄与するもの
    東日本大震災により相当数の住宅が滅失した地域において賃貸住宅の供給を行う事業であって居住の安定の確保に寄与するもの
    農林水産業、社会福祉、環境の保全その他の分野における各般の課題の解決を図ることを通じて復興推進計画の区域における東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する経済的社会的効果を及ぼすものとして政令で定める事業
   復興推進計画の区域における雇用機会の創出その他の東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する経済的社会的効果を及ぼすものとして内閣府令で定める事業のうち復興推進計画の目標を達成する上で中核となるものを行うのに必要な資金を貸し付ける事業(第四十四条第一項において「復興特区支援貸付事業」という。)であって銀行その他の内閣府令で定める金融機関(同項において単に「金融機関」という。)により行われるもの
   復興推進計画の区域における東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する事業(第一号に掲げる事業又は当該事業と併せて実施する事業に限る。)の活動の基盤を充実するため、補助金等交付財産(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二十二条に規定する財産をいう。)を当該補助金等交付財産に充てられた補助金等(同法第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することにより行う事業
  この法律において「規制の特例措置」とは、法律により規定された規制についての第十四条から第三十四条までに規定する法律の特例に関する措置及び政令又は主務省令(以下この項において「政令等」という。)により規定された規制についての第三十五条の規定による政令若しくは内閣府令(告示を含む。)・主務省令(第八十七条ただし書に規定する規制にあっては、主務省令。第三十五条及び第三十六条において「内閣府令・主務省令」という。)又は第三十六条の規定による条例で規定する政令等の特例に関する措置をいい、これらの措置の適用を受ける場合において当該規制の趣旨に照らし地方公共団体がこれらの措置と併せて実施し又はその実施を促進することが必要となる措置を含むものとする。
  この法律において「改良住宅」とは、住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)第二条第六項に規定する改良住宅をいう。
  この法律において「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいう。
  この法律において「海岸保全区域」とは、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第三条の規定により指定された海岸保全区域をいう。
  この法律において「森林」とは、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。
  この法律において「農用地区域」とは、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。
 10 この法律において「一級河川」とは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第四条第一項に規定する一級河川をいう。
 11 この法律において「土地改良事業」とは、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業(同項第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事業に限る。)をいう。
 12 この法律において「集団移転促進事業」とは、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律(昭和四十七年法律第百三十二号。第五十三条において「集団移転促進法」という。)第二条第二項に規定する集団移転促進事業をいう。
 13 この法律において「漁港漁場整備事業」とは、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第四条第一項に規定する漁港漁場整備事業をいう。
 14 この法律において「土地区画整理事業」とは、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第二条第一項に規定する土地区画整理事業をいう。

    第二章  復興特別区域基本方針

第三条 政府は、東日本大震災復興基本法第二条の基本理念にのっとり、かつ、同法第三条に規定する東日本大震災復興基本方針に基づき、復興特別区域における復興推進事業、第四十六条第二項第四号に規定する復興整備事業及び第七十八条第一項に規定する復興交付金事業等の実施による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進(次項において「復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進」という。)に関する基本的な方針(以下「復興特別区域基本方針」という。)を定めなければならない。
  復興特別区域基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
   復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進の意義に関する事項
   復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進のために政府が着実に実施すべき地方公共団体に対する支援その他の施策に関する基本的な方針
   次条第一項に規定する復興推進計画の同条第九項の認定に関する基本的な事項
   復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進に関し政府が講ずべき措置についての計画
   前各号に掲げるもののほか、復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
  内閣総理大臣は、東日本大震災復興対策本部が作成した復興特別区域基本方針の案について閣議の決定を求めなければならない。
  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、復興特別区域基本方針を公表しなければならない。
  政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、復興特別区域基本方針を変更しなければならない。
  第三項及び第四項の規定は、前項の規定による復興特別区域基本方針の変更について準用する。

    第三章  復興推進計画に係る特別の措置

     第一節  復興推進計画の認定等

  (復興推進計画の認定)
第四条 その全部又は一部の区域が東日本大震災に際し災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)が適用された同法第二条に規定する市町村の区域(政令で定めるものを除く。)又はこれに準ずる区域として政令で定めるもの(以下この項及び第四十六条第一項において「特定被災区域」という。)である地方公共団体(以下「特定地方公共団体」という。)は、単独で又は共同して、復興特別区域基本方針に即して、当該特定地方公共団体に係る特定被災区域内の区域について、内閣府令で定めるところにより、復興推進事業の実施又はその実施の促進その他の復興に向けた取組による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進(以下この節において「復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進」という。)を図るための計画(以下「復興推進計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。
  復興推進計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
   復興推進計画の区域
   復興推進計画の目標
   前号の目標を達成するために推進しようとする取組の内容
   第一号の区域内において次に掲げる区域を定める場合にあっては、当該区域
    第二号の目標を達成するために産業集積の形成及び活性化の取組を推進すべき区域(以下「復興産業集積区域」という。)
    第二号の目標を達成するために居住の安定の確保及び居住者の利便の増進の取組を推進すべき区域(以下「復興居住区域」という。)
    イ及びロに掲げるもののほか、第二号の目標を達成するために社会福祉、環境の保全その他の分野における地域の課題の解決を図る取組を推進すべき区域(第十五条第一項及び第十六条第一項において「復興特定区域」という。)
   第二号の目標を達成するために実施し又はその実施を促進しようとする復興推進事業の内容及び実施主体に関する事項
   前号に規定する復興推進事業ごとの次節の規定による特別の措置の内容
   前各号に掲げるもののほか、第五号に規定する復興推進事業に関する事項その他復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
  特定地方公共団体は、復興推進計画を作成しようとするときは、関係地方公共団体及び前項第五号に規定する実施主体(以下この章において単に「実施主体」という。)の意見を聴かなければならない。
  次に掲げる者は、特定地方公共団体に対して、第一項の規定による申請(以下この節において単に「申請」という。)をすることについての提案をすることができる。
   当該提案に係る区域において復興推進事業を実施しようとする者
   前号に掲げる者のほか、当該提案に係る区域における復興推進事業の実施に関し密接な関係を有する者
  前項の提案を受けた特定地方公共団体は、当該提案に基づき申請をするか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者に通知しなければならない。この場合において、申請をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
  特定地方公共団体は、復興推進計画を作成しようとする場合において、第十三条第一項の復興推進協議会(以下この項、第十一条第一項及び第十二条第四項第二号において「地域協議会」という。)が組織されているときは、当該復興推進計画に定める事項について当該地域協議会における協議をしなければならない。
  申請には、次に掲げる事項を記載した書面を添付しなければならない。
   第三項の規定により聴いた関係地方公共団体及び実施主体の意見の概要
   第四項の提案を踏まえた申請をする場合にあっては、当該提案の概要
   前項の規定による協議をした場合にあっては、当該協議の概要
  特定地方公共団体は、申請に当たっては、当該申請に係る復興推進計画の区域において実施し、又はその実施を促進しようとする復興推進事業及びこれに関連する事業に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令(告示を含む。)の規定の解釈について、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下同じ。)に対し、その確認を求めることができる。この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、当該特定地方公共団体に対し、速やかに回答しなければならない。
  内閣総理大臣は、申請があった復興推進計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
   復興特別区域基本方針に適合するものであること。
   当該復興推進計画の実施が当該復興推進計画の区域における復興の円滑かつ迅速な推進と当該復興推進計画の区域の活力の再生に寄与するものであると認められること。
   円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
 10 内閣総理大臣は、前項の認定(以下この条から第六条までにおいて単に「認定」という。)をしようとするときは、復興推進計画に定められた復興推進事業に関する事項について、当該復興推進事業に係る関係行政機関の長(以下この章において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。
 11 内閣総理大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

  (認定に関する処理期間)
第五条 内閣総理大臣は、申請を受理した日から三月以内において速やかに、認定に関する処分を行わなければならない。
  関係行政機関の長は、内閣総理大臣が前項の処理期間中に認定に関する処分を行うことができるよう、速やかに、前条第十項の同意について同意又は不同意の旨を通知しなければならない。

  (認定復興推進計画の変更)
第六条 認定を受けた特定地方公共団体は、認定を受けた復興推進計画(以下「認定復興推進計画」という。)の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
  第四条第三項から第十一項まで及び前条の規定は、前項の認定復興推進計画の変更について準用する。

  (報告の徴収)
第七条 内閣総理大臣は、第四条第九項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。以下この章において単に「認定」という。)を受けた特定地方公共団体(以下「認定地方公共団体」という。)に対し、認定復興推進計画(認定復興推進計画の変更があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。
  関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定復興推進計画に定められた復興推進事業の実施の状況について報告を求めることができる。

  (措置の要求)
第八条 内閣総理大臣は、認定復興推進計画の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該認定復興推進計画の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
  関係行政機関の長は、認定復興推進計画に定められた復興推進事業の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該復興推進事業の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

  (認定の取消し)
第九条 内閣総理大臣は、認定復興推進計画が第四条第九項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、内閣総理大臣は、あらかじめ関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。
  関係行政機関の長は、内閣総理大臣に対し、前項の規定による認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができる。
  第四条第十一項の規定は、第一項の規定による認定復興推進計画の認定の取消しについて準用する。

  (認定地方公共団体への援助等)
第十条 内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定復興推進計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うように努めなければならない。
  関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長その他の執行機関は、認定復興推進計画に係る復興推進事業の実施に関し、法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該復興推進事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。
  前二項に定めるもののほか、内閣総理大臣、関係行政機関の長、認定地方公共団体、関係地方公共団体及び実施主体は、認定復興推進計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

  (新たな規制の特例措置等に関する提案及び復興特別意見書の提出)
第十一条 申請をしようとする特定地方公共団体(地域協議会を組織するものに限る。)又は認定地方公共団体(以下この条及び次条において「認定地方公共団体等」という。)は、内閣総理大臣に対して、新たな規制の特例措置その他の特別の措置(次項及び第八項並びに次条第一項において「新たな規制の特例措置等」という。)の整備その他の申請に係る復興推進計画の区域における復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関し政府が講ずべき新たな措置に関する提案(以下この条において単に「提案」という。)をすることができる。
  復興推進計画の区域において新たな規制の特例措置等の適用を受けて事業を実施しようとする者は、認定地方公共団体等に対して、当該新たな規制の特例措置等の整備について提案をするよう要請することができる。
  前項の規定による要請を受けた認定地方公共団体等は、当該要請に基づき提案をするか否かについて、遅滞なく、当該要請をした者に通知しなければならない。この場合において、当該提案をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
  内閣総理大臣は、提案がされた場合において、関係行政機関の長の意見を聴いて、当該提案を踏まえた新たな措置を講ずる必要があると認めるときは、遅滞なく、東日本大震災復興対策本部が作成した復興特別区域基本方針の変更の案について閣議の決定を求めなければならない。
  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、復興特別区域基本方針を公表しなければならない。
  内閣総理大臣は、提案がされた場合において、関係行政機関の長の意見を聴いて、当該提案を踏まえた新たな措置を講ずる必要がないと認めるときは、その旨及びその理由を当該提案をした認定地方公共団体等に通知しなければならない。
  内閣総理大臣は、提案がされた場合において、次条第一項に規定する協議会(当該提案をした認定地方公共団体等を構成員とするものに限る。)が組織されているときは、第四項の規定により閣議の決定を求め、又は前項の規定により通知する前に、当該提案について当該協議会における協議をしなければならない。
  認定地方公共団体等は、新たな規制の特例措置等の整備その他の申請に係る復興推進計画の区域における復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関する措置について、国会に対して意見書(次項において「復興特別意見書」という。)を提出することができる。
  国会は、復興特別意見書の提出を受けた場合において、当該復興特別意見書に係る措置の円滑かつ確実な実施のために必要があると認めるときは、所要の法制上の措置を講ずるものとする。

  (国と地方の協議会)
第十二条 内閣総理大臣、国務大臣のうちから内閣総理大臣の指定する者及び認定地方公共団体等の長(以下この条において「内閣総理大臣等」という。)は、都道県の区域ごとに、復興推進計画の区域において当該認定地方公共団体等が推進しようとする取組、当該取組を推進するために必要な新たな規制の特例措置等の整備その他の復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関する施策の推進に関し必要な協議を行うための協議会(以下この条において単に「協議会」という。)を組織することができる。
  認定地方公共団体等の長は、協議会が組織されていないときは、内閣総理大臣に対して、協議会を組織するよう要請することができる。
  前項の規定による要請を受けた内閣総理大臣は、正当な理由がある場合を除き、当該要請に応じなければならない。
  内閣総理大臣等は、必要と認めるときは、協議して、協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
   地方公共団体の長その他の執行機関(第一項の認定地方公共団体等の長を除く。)
   当該都道県内の特定地方公共団体が組織した地域協議会を代表する者(地域協議会が二以上ある場合にあっては、各地域協議会を代表する者)
   当該都道県の区域内において復興推進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者
   その他当該都道県の区域内における復興推進事業の実施に関し密接な関係を有する者
  第一項の協議を行うための会議(以下この条において単に「会議」という。)は、内閣総理大臣等及び前項の規定により加わった者又はこれらの指名する者をもって構成する。
  協議会は、会議において協議を行うため必要があると認めるときは、国の行政機関の長及び地方公共団体の長その他の執行機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
  協議会は、会議において協議を行うため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
  会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。この場合において、認定地方公共団体等の講ずる措置の円滑かつ確実な実施のために必要があるときは、内閣総理大臣等(認定地方公共団体等の長を除く。)は、速やかに、所要の法制上の措置その他の措置を講じなければならないものとする。
  協議会の庶務は、内閣府において処理する。
 10 内閣総理大臣は、会議における協議の経過及び内容を、適時に(会議において協議が調わなかった場合には、遅滞なく)、かつ、適切な方法で、国会に報告するものとする。
 11 前条第九項の規定は、国会が前項の報告を受けた場合について準用する。
 12 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

  (復興推進協議会)
第十三条 特定地方公共団体は、第四条第一項の規定により作成しようとする復興推進計画並びに認定復興推進計画及びその実施に関し必要な事項について協議するため、復興推進協議会(以下この条及び次節において「地域協議会」という。)を組織することができる。
  地域協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
   前項の特定地方公共団体
   復興推進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者
  第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる者のほか、地域協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
   当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
   その他当該特定地方公共団体が必要と認める者
  特定地方公共団体は、前項の規定により地域協議会の構成員を加えるに当たっては、地域協議会の構成員の構成が、当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関する多様な意見が適切に反映されるものとなるよう配慮しなければならない。
  次に掲げる者は、地域協議会が組織されていない場合にあっては、特定地方公共団体に対して、地域協議会を組織するよう要請することができる。
   復興推進事業を実施し、又は実施しようとする者
   前号に掲げる者のほか、当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
  前項の規定による要請を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該要請に応じなければならない。
  特定地方公共団体は、第一項の規定により地域協議会を組織したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
  第五項各号に掲げる者であって地域協議会の構成員でないものは、第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体に対して、自己を地域協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
  前項の規定による申出を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該申出に応じなければならない。
 10 第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
 11 前各項に定めるもののほか、地域協議会の運営に関し必要な事項は、地域協議会が定める。

    第二節  認定復興推進計画に基づく事業に対する特別の措置

     第一款  規制の特例措置

  (漁業法の特例)
第十四条 特定地方公共団体である県が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特定区画漁業権免許事業(復興推進計画の区域内の特定区画漁業権(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第七条に規定する特定区画漁業権をいう。以下この条において同じ。)に係る地元地区(同法第十一条に規定する地元地区をいう。以下この条において同じ。)における経済活動が東日本大震災の影響のため停滞し、かつ、当該地元地区内に住所を有する漁業者のみでは水産動植物の養殖の事業のために必要な施設の整備、人材の確保その他の措置を行うことが困難であると認められるときに、当該事業を行うことを通じて当該地元地区の復興の円滑かつ迅速な推進を図るのにふさわしい者に特定区画漁業権の内容たる区画漁業(同法第六条第四項に規定する区画漁業をいう。)の免許をする事業をいう。以下この条及び別表の一の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた県の知事は、同法第十八条の規定にかかわらず、同法第十六条第六項又は第八項に規定する者であって、次に掲げる要件に該当し、かつ、水産動植物の養殖の事業を最も適切に行うことができると認められるものを第一順位として認定復興推進計画に定められた特定区画漁業権免許事業に係る免許をすることができる。
   当該免許を受けた後速やかに水産動植物の養殖の事業を開始する具体的な計画を有する者であること。
   水産動植物の養殖の事業を適確に行うに足りる経理的基礎及び技術的能力を有する者であること。
   十分な社会的信用を有する者であること。
   その者の行う当該免許に係る水産動植物の養殖の事業が漁業生産の増大、当該免許に係る地元地区内に住所を有する漁民の生業の維持、雇用機会の創出その他の当該地元地区の活性化に資する経済的社会的効果を及ぼすことが確実であると認められること。
   その者の行う当該免許に係る水産動植物の養殖の事業が当該免許を受けようとする漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に支障を及ぼすおそれがないこと。

  (建築基準法の特例)
第十五条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興建築物整備事業(復興産業集積区域、復興居住区域又は復興特定区域の区域内において復興の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項及び別表の二の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該復興推進計画に定められたこれらの区域内の建築物に対する建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第四十八条第一項から第十二項まで(これらの規定を同法第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第四十八条第一項ただし書中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第十五条第一項の認定を受けた同項に規定する復興推進計画に定められた同条第二項に規定する基本方針(以下この条において「認定計画基本方針」という。)に適合すると認めて許可した場合その他」と、同項から同条第十項まで及び同条第十二項の規定のただし書の規定中「認め、」とあるのは「認めて許可した場合、」と、同条第二項から第十二項までの規定のただし書の規定中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、認定計画基本方針に適合すると認めて許可した場合その他」とする。
  前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該復興推進計画において定められた復興建築物整備事業に係る建築物の整備に関する基本方針を定めるものとする。この場合において、当該基本方針は、当該区域内の用途地域(建築基準法第四十八条第十三項に規定する用途地域をいう。)の指定の目的に反することのないよう定めなければならない。

第十六条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特別用途地区復興建築物整備事業(建築基準法第四十九条第二項の規定に基づく条例で同法第四十八条第一項から第十二項までの規定による制限を緩和することにより、復興産業集積区域、復興居住区域又は復興特定区域の区域内の特別用途地区(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第二号に掲げる特別用途地区をいう。次項において同じ。)内において、復興の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項及び別表の三の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた特定地方公共団体については、当該認定を建築基準法第四十九条第二項の承認とみなして、同項の規定を適用する。
  前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該特別用途地区復興建築物整備事業に係る特別用途地区について建築基準法第四十九条第二項の規定に基づく条例で定めようとする同法第四十八条第一項から第十二項までの規定による制限の緩和の内容を定めるものとする。

第十七条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、応急仮設建築物活用事業(復興推進計画の区域内の区域であって、東日本大震災からの復興の状況からみて地域住民の生活に必要な建築物で当該震災により被害を受けたものの再建に相当の期間を要すると見込まれる区域において、建築基準法第八十五条第四項に規定する期間を超えて、当該建築物に替えて必要な同条第二項の応急仮設建築物(住宅を除く。以下この条において単に「応急仮設建築物」という。)を存続させ、復興の推進に当たって活用する事業をいう。以下この条及び別表の四の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該復興推進計画の区域内の当該応急仮設建築物活用事業に係る応急仮設建築物について、同法第二条第三十五号の特定行政庁は、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には、同法第八十五条第四項の規定にかかわらず、次項の期間内において、更に一年を超えない範囲内において同条第四項の許可の期間を延長することができる。当該延長に係る期間が満了した場合において、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
  前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該応急仮設建築物活用事業に係る応急仮設建築物の所在地及び用途並びに当該応急仮設建築物ごとの当該応急仮設建築物活用事業の期間を定めるものとする。

  (道路運送法の特例)
第十八条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、被災区域道路運送確保事業(その全部又は一部の区間が復興推進計画の区域内に存する路線に係る一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業をいう。)を経営する者が当該事業の利用者の利便の増進を図るために実施する事業をいう。以下この条及び別表の五の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、当該復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業に関する国土交通省令で定める書類を添付して、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業のうち、同法第十五条第一項の認可を受け、又は同条第三項若しくは第四項の規定による届出をしなければならないものについては、当該認定の日において、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
  特定地方公共団体は、前項の認定を申請しようとするときは、第四条第三項の規定にかかわらず、当該申請に係る復興推進計画に定めようとする被災区域道路運送確保事業の内容について、当該被災区域道路運送確保事業の実施主体として当該復興推進計画に定めようとする者の同意を得なければならない。
  国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の同意を求められたときは、当該申請に係る復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業のうち、道路運送法第十五条第一項の認可を受けなければならないものについて、その内容が同条第二項において準用する同法第六条各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、第四条第十項の同意をしてはならない。
  国土交通大臣は、特定地方公共団体及び第一項の認定の申請に係る復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業の実施主体に対して、第四条第十項の同意に必要な情報の提供を求めることができる。
  国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項の同意を求められたときは、国土交通省令で定めるところにより関係する道路管理者(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下この項において同じ。)に、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより関係する都道府県公安委員会に、それぞれ意見を聴くものとする。ただし、道路管理者の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令で定める場合、又は都道府県公安委員会の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。

  (公営住宅法等の特例)
第十九条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、()災者公営住宅等供給事業(復興推進計画の区域内において次に掲げる全ての事業を行う事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該()災者公営住宅等供給事業については、次条及び第二十一条の規定を適用する。
   公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第八条第一項又は激(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)第二十二条第一項の規定による国の補助を受けて公営住宅法第二条第五号に規定する公営住宅の建設等をする事業
   当該復興推進計画の区域内において東日本大震災により滅失した住宅に居住していた者又は当該復興推進計画の区域内において実施される都市計画事業その他国土交通省令で定める事業の実施に伴い移転が必要になった者(次条において「被災者等」という。)に、公営住宅又は改良住宅を賃貸する事業
  前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、前項第一号に掲げる事業の期間を定めるものとする。

第二十条 前条第一項の認定を受けた復興推進計画に定められた()災者公営住宅等供給事業に係る公営住宅又は改良住宅に入居しようとする被災者等については、当該復興推進計画に記載された同条第二項の期間が満了する日(その日が平成三十三年三月十一日後の日であるときは、同月十一日)までの間、公営住宅法第二十三条第三号(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる条件を具備する者を公営住宅法第二十三条各号(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる条件を具備する者とみなす。

第二十一条 第十九条第一項の認定を受けた復興推進計画に定められた()災者公営住宅等供給事業に係る公営住宅若しくは当該公営住宅に係る公営住宅法第二条第九号に規定する共同施設又は改良住宅(次条において「公営住宅等」という。)に対する同法第四十四条第一項及び第二項(これらの規定を住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)並びに公営住宅法附則第十六項の規定の適用については、同法第四十四条第一項中「四分の一」とあるのは「六分の一」と、同条第二項中「公営住宅の整備若しくは共同施設の整備又はこれらの修繕若しくは改良に要する費用に」とあるのは「公営住宅の整備若しくは共同施設の整備若しくはこれらの修繕若しくは改良に要する費用又は地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法(平成十七年法律第七十九号)第六条の地域住宅計画に基づく事業若しくは事務の実施に要する費用に」と、同法附則第十六項中「その耐用年限の四分の一を経過した場合においては」とあるのは「その耐用年限の六分の一を経過した場合において特別の事由のあるとき、又は耐用年限の四分の一を経過した場合においては」とする。

第二十二条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興推進公営住宅等管理等事業(復興推進計画の区域内において公営住宅等の適切な管理及び処分による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進を図るために実施される次に掲げる事業をいう。以下この項及び別表の七の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定を受けた復興推進公営住宅等管理等事業については、当該認定の日において、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による国土交通大臣の承認を受けたものとみなす。
   公営住宅法第四十四条第三項(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に基づき、東日本大震災により被害を受けた公営住宅等の用途を廃止する事業 公営住宅法第四十四条第三項
   公営住宅法第四十五条第一項に基づき、同項に規定する社会福祉法人等に公営住宅を住宅として使用させる事業 同項
   公営住宅法第四十六条第一項(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に基づき、公営住宅等を他の地方公共団体に譲渡する事業 公営住宅法第四十六条第一項
  国土交通大臣は、前項(第一号又は第三号に係る部分に限る。)の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。)の同意を求められたときは、厚生労働大臣に協議しなければならない。
  特定地方公共団体である市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、第一項の認定を受けたときは、その旨を当該市町村の存する都道県の知事に通知するものとする。

  (農地法等の特例)
第二十三条 特定地方公共団体である市町村(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震の津波による被害を受けたものに限る。)が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、食料供給等施設整備事業(農林水産物の生産又は加工のための施設その他の食料の安定供給の確保又は当該市町村における農林水産業の復興に資する施設として農林水産省令で定めるもの(以下「食料供給等施設」という。)を復興推進計画の区域内において整備する事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該食料供給等施設整備事業については、次条から第二十七条までの規定を適用する。

第二十四条 前条の認定を受けた市町村(以下この条において「認定市町村」という。)は、地域協議会における協議を経て、当該認定を受けた復興推進計画に定められた食料供給等施設整備事業に係る食料供給等施設の整備に関する計画(次の各号のいずれかに該当するものに限る。以下「食料供給等施設整備計画」という。)を作成することができる。
   当該食料供給等施設の用に供する土地が農地又は採草放牧地(農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。以下この条及び次条第二項において同じ。)であり、当該食料供給等施設の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにし、又は農地である当該土地若しくは採草放牧地である当該土地を農地若しくは採草放牧地以外のものにするため当該土地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得するに当たり、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四条第一項又は第五条第一項の許可(農林水産大臣の許可並びに同法附則第二項第一号及び第三号に規定する許可を除く。)を受けなければならないものに係るものであること。
   森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画の対象となっている同項に規定する民有林(同法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林並びに同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内及び海岸保全区域内の森林を除く。第四項第六号及び第二十七条において「対象民有林」という。)において当該食料供給等施設を整備するため開発行為(同法第十条の二第一項に規定する開発行為をいう。以下この条及び第二十七条において同じ。)を行うものであり、当該開発行為を行うに当たり、同法第十条の二第一項の許可を受けなければならないものに係るものであること。
  認定市町村は、前項の協議を行う場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者を地域協議会の構成員として加えるものとする。
   食料供給等施設整備計画が前項第一号に該当する場合 道県知事、都道府県農業会議その他農林水産省令で定める者
   食料供給等施設整備計画が前項第二号に該当する場合 道県知事並びに森林及び林業に関し学識経験を有する者
  食料供給等施設整備計画には、食料供給等施設整備事業の実施主体、食料供給等施設の種類及び規模、当該食料供給等施設の用に供する土地の所在及び面積その他農林水産省令で定める事項を記載しなければならない。
  認定市町村は、第一項の規定により食料供給等施設整備計画を作成しようとするときは、当該食料供給等施設整備計画について、道県知事の同意を得なければならない。この場合において、当該道県知事は、当該食料供給等施設整備計画が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、同意をするものとする。
   農地を農地以外のものにする場合にあっては、農地法第四条第二項(第一号に係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
   農地法第四条第二項第一号イ又はロに掲げる農地を農地以外のものにする場合にあっては、当該農地に代えて周辺の他の土地を供することにより食料供給等施設整備事業の目的を達成することができると認められないこと。
   農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあっては、農地法第五条第二項(第一号に係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
   農地法第五条第二項第一号イ又はロに掲げる農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあっては、これらの土地に代えて周辺の他の土地を供することにより食料供給等施設整備事業の目的を達成することができると認められないこと。
   食料供給等施設の用に供する土地が農用地区域内の土地である場合にあっては、その周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないと認められることその他の農林水産省令で定める要件に該当すること。
   対象民有林において食料供給等施設を整備するため開発行為を行う場合にあっては、当該開発行為が森林法第十条の二第二項各号のいずれにも該当しないこと。

第二十五条 前条第一項の規定により作成された食料供給等施設整備計画に記載された食料供給等施設整備事業の実施主体(次項及び第二十七条において「食料供給等施設整備事業者」という。)が、当該食料供給等施設整備計画に従って食料供給等施設の用に供することを目的として農地を農地以外のものにする場合には、農地法第四条第一項の許可があったものとみなす。
  食料供給等施設整備事業者が、食料供給等施設整備計画に従って食料供給等施設の用に供することを目的として農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第五条第一項の許可があったものとみなす。

第二十六条 第二十四条第一項の規定により作成された食料供給等施設整備計画に記載された食料供給等施設の用に供する土地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更については、農業振興地域の整備に関する法律第十三条第二項の規定は、適用しない。

第二十七条 食料供給等施設整備事業者が、食料供給等施設整備計画に従って対象民有林において食料供給等施設を整備するため開発行為を行う場合には、森林法第十条の二第一項の許可があったものとみなす。

  (工場立地法及び企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の特例)
第二十八条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興産業集積事業(復興産業集積区域内において製造業等(工場立地法(昭和三十四年法律第二十四号)第二条第三項に規定する製造業等をいう。以下この項において同じ。)を営む者がその事業の用に供する工場又は事業場(以下この項において「工場等」という。)の新増設を行うことを促進する事業をいう。第五項第一号及び別表の九の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた特定地方公共団体(市町村に限る。以下この条において「認定市町村」という。)は、当該復興推進計画に定められた復興産業集積区域における製造業等に係る工場等の緑地(同法第四条第一項第一号に規定する緑地をいう。)及び環境施設(同法第四条第一項第一号に規定する環境施設をいう。)のそれぞれの面積の敷地面積に対する割合に関する事項について、条例で、同法第四条第一項の規定により公表され、又は同法第四条の二第一項の規定により定められた準則(第十一項において「工場立地法準則」といい、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律(平成十九年法律第四十号。以下この条において「地域産業集積形成法」という。)第十条第一項の規定により準則が定められた場合又は地域産業集積形成法第十一条第一項の規定により条例が定められた場合にあっては、その準則又はその条例(以下この条において「地域産業集積形成法準則等」という。)を含む。)に代えて適用すべき準則を定めることができる。
  前項の規定により準則を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等条例」という。)が施行されている間は、工場立地法の規定により都道県知事の権限に属するものとされている事務であって、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例に係る復興産業集積区域に係るものは、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例を定めた認定市町村の長が行うものとする。
  前項の規定により認定市町村の長が事務を行う場合においては、工場立地法の規定及び工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第百八号)附則第三条第一項の規定中都道府県知事に関する規定は、当該復興産業集積区域については、市町村の長に関する規定として当該認定市町村の長に適用があるものとする。この場合において、工場立地法第九条第二項第一号中「第四条の二第一項の規定により地域準則が定められた場合にあつては、その地域準則」とあるのは、「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二十八条第一項の規定により準則が定められた場合にあつては、その準則」とする。
  復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行により地域産業集積形成法準則等の適用を受けないこととなった特定工場(工場立地法第六条第一項に規定する特定工場をいう。以下この条において同じ。)については、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例が施行されている間は、地域産業集積形成法第十二条第三項の規定は、適用しない。
  復興産業集積区域緑地面積率等条例を定めた市町村は、次に掲げる事由が生じた場合においては、当該事由の発生により当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の適用を受けないこととなった区域において当該事由の発生前に当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の適用を受けた特定工場について、条例で、当該事由の発生に伴い合理的に必要と判断される範囲内で、所要の経過措置を定めることができる。
   第六条第一項の規定による認定復興推進計画の変更(復興産業集積区域の区域を変更することとするもの又は第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として復興産業集積事業を定めないこととするものに限る。)の認定
   第九条第一項の規定による第一項の認定の取消し
  前項の規定により経過措置を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例」という。)が施行されている間は、工場立地法の規定により都道県知事の権限に属するものとされている事務であって、同項の特定工場に係るものは、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例を定めた市町村の長が行うものとする。
  前項の規定により市町村の長が事務を行う場合においては、第三項の規定を準用する。この場合において、同項中「第二十八条第一項の規定により準則が定められた場合にあつては、その準則」とあるのは、「第二十八条第五項の規定により条例が定められた場合にあつては、その条例」と読み替えるものとする。
  復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の施行により地域産業集積形成法準則等の適用を受けないこととなった特定工場については、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が施行されている間は、地域産業集積形成法第十二条第三項の規定は、適用しない。
  復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行前に都道県知事にされた工場立地法第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項又は工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律附則第三条第一項の規定による届出であって復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行の日において勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮の処理がされていないものについての勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮については、なお従前の例による。
 10 前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 11 復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、第五項各号に掲げる事由の発生又は復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例(復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が定められている場合にあっては、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例)で定めた準則の適用を受けないこととなった特定工場(当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、同項各号に掲げる事由の発生又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により工場立地法準則の適用を受けることとなったものに限る。)について、それぞれ当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効の日、同項各号に掲げる事由の発生の日又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効の日(以下この項及び次項において「特定日」という。)前に第二項又は第六項の規定によりこれらの規定に規定する事務を行うものとされた市町村の長(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)にされた工場立地法第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項又は工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律附則第三条第一項の規定による届出は、特定日以後においては、当該市町村の存する都道県の知事にされたものとみなす。ただし、当該届出であって特定日において勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮の処理がされていないものについての勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮については、なお従前の例による。
 12 前項ただし書の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特定日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 13 前二項の規定は、復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、第五項各号に掲げる事由の発生又は復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例(復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が定められている場合にあっては、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例)で定めた準則の適用を受けないこととなった特定工場(当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、同項各号に掲げる事由の発生又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により地域産業集積形成法準則等の適用を受けることとなったものに限る。)について準用する。この場合において、第十一項中「市町村の長(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)」とあるのは「市町村の長」と、「当該市町村の存する都道県の知事」とあるのは「地域産業集積形成法第十条第三項又は第十一条第二項の規定によりこれらの規定に規定する事務を行うものとされた当該市町村の長」と読み替えるものとする。

  (河川法及び電気事業法の特例等)
第二十九条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特定水力発電事業(復興推進計画の区域内において、河川法第二十三条、第二十四条又は第二十六条第一項(これらの規定を同法第百条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による許可(以下この条から第三十二条までにおいて「河川法第二十三条等の許可」という。)を受けた水利使用(流水の占用又は同法第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。以下同じ。)のために取水した流水のみを利用して行う水力発電事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、次に掲げるところにより内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該特定水力発電事業については、次条から第三十二条までの規定を適用する。
   当該認定の申請に、第四条第七項(第六条第二項において準用する場合を含む。)に規定する書面のほか、次に掲げる事項を記載した書面を添付するものであること。
    当該特定水力発電事業に係る水利使用に関する計画(国土交通省令で定める事項が定められたものに限る。次号並びに次条第一項及び第三項において「特定水利使用計画」という。)
    当該特定水力発電事業が利用する流水に係る河川法第二十三条等の許可を受けた水利使用の内容(国土交通省令で定める事項が記載されたものに限る。)
   特定地方公共団体が、当該認定の申請に先立ち、地域協議会(当該特定水力発電事業に係る水利使用に関し河川法第二十三条等の許可を行う河川管理者(河川法第七条(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)に規定する河川管理者(同法第九条第二項又は第五項の規定により都道県知事又は指定都市の長が同条第二項に規定する指定区間内の一級河川の管理の一部を行う場合にあっては、当該都道県知事又は当該指定都市の長)をいう。以下同じ。)を構成員とするものに限る。以下この号及び次条において同じ。)を組織し、当該地域協議会において当該特定水力発電事業に係る特定水利使用計画が協議されていること。

第三十条 国土交通大臣は、一級河川の特定水力発電事業に係る水利使用(前条の認定を受けた復興推進計画に係る特定水利使用計画に定められた水利使用と同一の内容のものに限る。以下この条から第三十二条までにおいて「特定発電水利使用」という。)に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、河川法第三十五条第一項の規定にかかわらず、同項に規定する関係行政機関の長に協議することを要しない。
  国土交通大臣、都道県知事又は指定都市の長は、一級河川又は二級河川(河川法第五条第一項に規定する二級河川をいう。以下この条及び次条において同じ。)の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、同法第三十六条第一項から第四項までの規定にかかわらず、地域協議会を構成する都道県知事又は市町村長の意見を聴くことを要しない。
  河川管理者は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条又は第二十六条第一項の許可の申請があったときは、同法第三十八条の規定にかかわらず、地域協議会を構成する者であって当該地域協議会において当該特定発電水利使用に係る特定水利使用計画について同意したものに対しては、同条に規定する通知をすることを要しない。
  都道県知事は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、河川法第七十九条の規定にかかわらず、国土交通大臣の認可を受け、又は国土交通大臣に協議してその同意を得ることを要しない。
  準用河川(河川法第百条第一項に規定する準用河川をいう。)の特定発電水利使用に関する同項において準用する同法の規定の特例については、前三項の規定に準じて政令で定める。

第三十一条 都道県知事又は指定都市の長は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があったときは、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百三条第一項の規定にかかわらず、意見を付して経済産業大臣に報告し、及びその意見を求めることを要しない。

第三十二条 河川管理者は、水利使用に関する河川法第二十三条等の許可の申請に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第六条に規定する通常要すべき標準的な期間(以下この条において「標準処理期間」という。)を定めるときは、特定発電水利使用に係る標準処理期間について、他の水利使用(総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第五十条第一項に規定する特定発電水利使用を除く。)に係る標準処理期間に比して相当程度短い期間を定めるものとする。

  (鉄道事業法の特例)
第三十三条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、被災鉄道移設事業(東日本大震災によって被害を受けた鉄道線路、停車場その他の鉄道事業(鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第一項に規定する鉄道事業をいう。)の用に供する施設について、当該施設に係る鉄道事業を経営する者が復興推進計画の区域内において実施する移設の事業をいう。以下この条及び別表の十一の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、当該復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業に関する国土交通省令で定める書類を添付して、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業のうち、同法第七条第一項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をしなければならないものについては、当該認定の日において、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
  特定地方公共団体は、前項の認定を申請しようとするときは、第四条第三項の規定にかかわらず、当該申請に係る復興推進計画に定めようとする被災鉄道移設事業の内容について、当該被災鉄道移設事業の実施主体として当該復興推進計画に定めようとする者の同意を得なければならない。
  国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の同意を求められたときは、当該申請に係る復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業のうち、鉄道事業法第七条第一項の認可を受けなければならないものについて、その内容が同条第二項において準用する同法第五条第一項各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、第四条第十項の同意をしてはならない。
  国土交通大臣は、特定地方公共団体及び第一項の認定の申請に係る復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業の実施主体に対して、第四条第十項の同意に必要な情報の提供を求めることができる。

  (確定拠出年金法の特例)
第三十四条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、地域振興事業(復興推進計画の区域内において実施される地域社会の活性化、地域文化の振興その他特色ある地域の振興に資する事業であって、連合会(確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第二条第五項に規定する連合会をいう。)が支給する同法附則第三条第一項の脱退一時金を活用することが見込まれるものをいう。別表の十二の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、平成二十三年三月十一日において復興推進計画の区域内に住所を有していた者に対する同法附則第三条第一項の規定の適用については、当該認定を受けた日から平成二十八年三月三十一日までの間、同項中

 六十歳未満であること。
 企業型年金加入者でないこと。
 第六十二条第一項各号に掲げる者に該当しないこと。

とあるのは

 東日本大震災(東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二条第一項に規定する東日本大震災をいう。以下同じ。)により政令で定める相当程度の住居又は家財の損害を受けた者であって、次のいずれかに該当するものであること。
  平成二十三年三月十一日において企業型年金加入者であった者であって、実施事業所が東日本大震災による被害を受けたため同日から平成二十五年三月十日までの間に当該実施事業所に使用されなくなり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
  平成二十三年三月十一日において個人型年金加入者であった者(同日において第六十二条第一項第一号に掲げる者であった者に限る。)であって、同日から平成二十五年三月十日までの間に個人型年金運用指図者となり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
  平成二十三年三月十一日において個人型年金加入者であった者(同日において第六十二条第一項第二号に掲げる者であった者に限る。)であって、その者が雇用されていた事業所が東日本大震災による被害を受けたため同日から平成二十五年三月十日までの間に当該事業所に使用されなくなり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
 六十歳未満であること。
 国民年金法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者及び個人型年金加入者でないこと。

と、

その者の通算拠出期間(企業型年金加入者期間(第五十四条第二項及び第五十四条の二第二項の規定により第三十三条第一項の通算加入者等期間に算入された期間がある者にあっては、当該期間を含む。)及び個人型年金加入者期間(個人型年金加入者が納付した掛金に係る個人型年金加入者期間に限るものとし、第七十四条の二第二項の規定により算入された第七十三条の規定により準用する第三十三条第一項の通算加入者等期間がある者にあっては、当該期間を含む。)を合算した期間をいう。)が一月以上三年以下であること又は

とあるのは

当該

と、

 最後に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して二年を経過していないこと。
 前条第一項の規定による脱退一時金の支給を受けていないこと。

とあるのは

 前条第一項の規定による脱退一時金の支給を受けていないこと。
 当該請求に係る脱退一時金を東日本大震災復興特別区域法第三十四条の認定を受けた復興推進計画(同法第四条第一項に規定する復興推進計画をいう。)に定められた同法第三十四条に規定する地域振興事業のうち厚生労働省令で定めるもののために使用すると見込まれる者として同条の認定を受けた特定地方公共団体(同項に規定する特定地方公共団体をいう。)の長が認めた者であること。

とする。

  (政令等で規定された規制の特例措置)
第三十五条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、政令等規制事業(政令又は主務省令により規定された規制に係る事業であって復興推進計画の区域内において実施されるものをいう。以下この条及び別表の十三の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該政令等規制事業については、政令により規定された規制に係るものにあっては政令で、主務省令により規定された規制に係るものにあっては内閣府令・主務省令で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。

  (地方公共団体の事務に関する規制についての条例による特例措置)
第三十六条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、地方公共団体事務政令等規制事業(政令又は主務省令により規定された規制(特定地方公共団体の事務に関するものに限る。以下この条において同じ。)に係る事業であって復興推進計画の区域内において実施されるものをいう。以下この条及び別表の十四の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該地方公共団体事務政令等規制事業については、政令により規定された規制に係るものにあっては政令で定めるところにより条例で、主務省令により規定された規制に係るものにあっては内閣府令・主務省令で定めるところにより条例で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。

      第二款  課税の特例

第三十七条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イ又はロに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。以下この条において「指定事業者」という。)であって、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において当該事業の用に供する施設又は設備を新設し、又は増設したものが、当該新設又は増設に伴い新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物については、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成二十三年法律第二十九号。以下この款において「震災特例法」という。)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  指定事業者は、内閣府令で定めるところにより、その指定に係る事業の実施の状況を前項の認定地方公共団体に報告しなければならない。
  第一項の認定地方公共団体は、指定事業者が同項の内閣府令で定める要件を欠くに至ったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。
  第一項の認定地方公共団体は、同項の規定による指定をしたとき、又は前項の規定による指定の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
  指定事業者の指定及びその取消しの手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

第三十八条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。以下この条において「指定事業者」という。)が、東日本大震災の被災者である労働者を、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内に所在する事業所において雇用している場合には、当該指定事業者に対する所得税及び法人税の課税については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  前条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第三十九条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定事業者」という。)であって当該事業に関連する開発研究を行うものが、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において、当該開発研究の用に供する減価償却資産を新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した場合には、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第三十九条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業のみを実施する法人であって、第四条第九項の規定による当該認定復興推進計画の認定の日以後に設立されたもの(当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域(その全部又は一部が、その全部又は一部の区域が同号イに規定する地域である市町村の区域に含まれるものに限る。)の区域内に本店又は主たる事務所を有する法人であることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定法人」という。)については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定法人について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十一条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号ハに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定事業者」という。)が、当該認定復興推進計画に定められた復興居住区域の区域内において新たに取得し、又は建設した当該事業の用に供する賃貸住宅については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十一条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十二条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号ニに掲げる事業を実施する株式会社(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定会社」という。)により発行される株式を払込みにより個人が取得した場合には、当該個人に対する所得税の課税については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
  第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定会社について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十二条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

     第三款  地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置

第四十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条の規定により、地方公共団体が、認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において当該認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イ又はロに掲げる事業の用に供する施設又は設備を新設し、又は増設した者(当該事業を実施する個人事業者又は法人で第三十七条第一項若しくは第三十九条第一項に規定する指定事業者又は第四十条第一項に規定する指定法人に該当するものに限る。)について、当該事業に対する事業税、当該事業の用に供する建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくは当該事業の用に供する機械及び装置、建物若しくは構築物若しくはこれらの敷地である土地に対する固定資産税を課さなかった場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、当該地方公共団体のこれらの措置による減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がされた最初の年度以降五箇年度におけるものに限る。)は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより、当該地方公共団体に対して交付すべき特別交付税の算定の基礎に算入するものとする。

     第四款  復興特区支援利子補給金の支給

第四十四条 政府は、認定復興推進計画に定められた復興特区支援貸付事業を行う金融機関であって、当該認定復興推進計画に係る地域協議会の構成員であり、かつ、当該復興特区支援貸付事業の適正な実施の確保を考慮して内閣府令で定める要件に該当するものとして内閣総理大臣が指定するもの(以下この条において「指定金融機関」という。)が、当該認定復興推進計画に定められた第二条第三項第三号の内閣府令で定める事業を行うのに必要な資金を貸し付けるときは、当該貸付けについて利子補給金(以下この条において「復興特区支援利子補給金」という。)を支給する旨の契約(以下この条において「利子補給契約」という。)を当該指定金融機関と結ぶことができる。
  政府は、毎年度、利子補給契約を結ぶ場合には、各利子補給契約により当該年度において支給することとする復興特区支援利子補給金の額の合計額が、当該年度の予算で定める額を超えることとならないようにしなければならない。
  政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、当該利子補給契約により支給することとする復興特区支援利子補給金の総額が、当該利子補給契約に係る貸付けが最初に行われた日から起算して五年間について、内閣府令で定める償還方法により償還するものとして計算した当該利子補給契約に係る貸付けの貸付残高に、内閣総理大臣が定める利子補給率を乗じて計算した額を超えることとならないようにしなければならない。
  政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、復興特区支援利子補給金を支給すべき当該利子補給契約に係る貸付けの貸付残高は、当該貸付けが最初に行われた日から起算して五年間における当該貸付けの貸付残高としなければならない。
  政府は、利子補給契約により復興特区支援利子補給金を支給する場合には、当該利子補給契約において定められた復興特区支援利子補給金の総額の範囲内において、内閣府令で定める期間ごとに、当該期間における当該利子補給契約に係る貸付けの実際の貸付残高(当該貸付残高が第三項の規定により計算した貸付残高を超えるときは、その計算した貸付残高)に同項の利子補給率を乗じて計算した額を、内閣府令で定めるところにより、支給するものとする。
  利子補給契約により政府が復興特区支援利子補給金を支給することができる年限は、当該利子補給契約をした会計年度以降七年度以内とする。
  内閣総理大臣は、指定金融機関が第一項に規定する指定の要件を欠くに至ったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。
  指定金融機関の指定及びその取消しの手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

     第五款  財産の処分の制限に係る承認の手続の特例

第四十五条 認定地方公共団体が認定復興推進計画に基づき第二条第三項第四号に掲げる事業を行う場合においては、当該認定地方公共団体がその認定を受けたことをもって、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条に規定する各省各庁の長の承認を受けたものとみなす。

第四章 復興整備計画等に係る特別の措置